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【トラブル回避】溶剤を管理する
溶剤を管理し
トラブルを回避する
最近、気温がジェットコースター並みに乱高下していますが、徐々に繁忙期を迎えるクリーニング店も増えてきました。しかし、そんな時期に起こるトラブルは生産効率を下げるだけでなく、コストの増加やスタッフのメンタルへの悪影響をもたらします。
特に、ドライクリーニングにおける溶剤管理(ソープ濃度、透過率、酸価、水分、臭気など)は非常に重要です。繁忙期だからこそ、毎日の管理を徹底し、品質の高い仕上がりで顧客満足を追求することが不可欠です。
溶剤管理の基本
ドライクリーニングでは水を使わず、有機溶剤を用いて衣類を洗浄します。この溶剤は繰り返し使用されるため、適切な管理が求められます。主な管理項目は以下のとおりです。
◆酸価
溶剤中に含まれる脂肪酸量を示す指標で、0.3以下が適正値とされています。酸価が高いと臭いや黄ばみの原因になります。
※理想は0.1%以下です
◆透過率
溶剤の透明度を示し、60%以上が望ましいとされています。透過率が低下すると、汚れの再付着(逆汚染)が発生しやすくなります
◆水分量
適正値でない場合、衣類の収縮や色落ちを引き起こす可能性があります
◆ソープ濃度
濃度が低いと静電気が発生しやすくなり、火災のリスクが高まるため注意が必要です。推奨濃度はメーカーごとに異なるため、必ず確認しましょう。
溶剤の劣化による影響
1:『衣類への悪影響』
脂肪酸の増加により酸価の値が高くなると、臭気や黄ばみが発生します。不快な臭いが衣類に残るだけでなく、繊維そのものを劣化させるリスクもあります。また、色移りや再汚染が発生しやすくなるため、適切な管理が必要です。
さらには、色移りなどの再汚染が発生しやすくなったりと、いいことは一つもありません。
2:『設備への負荷』
酸化によって生成された汚染物質は、フィルターや活性炭の寿命を縮めます。また、タンク内にヘドロ状の堆積物が発生し、これが腐敗臭や設備故障の原因となる可能性があります。ワッシャーの数値を毎日チェックし、定期的にメンテナンスを行いましょう。
3:『顧客満足度の低下』
汚れた溶剤を使用すると洗浄力が低下し、衣類の仕上がりに影響を与えます。その結果、顧客からの信頼を失うリスクが高まります。
まとめ
繁忙期だからこそ、トラブルを未然に防ぐことが重要です。そのためには、日々の徹底した管理が不可欠となります。毎日の小さな積み重ねが品質向上につながり、最終的には顧客満足度の向上やスタッフの成長にも寄与します。
「面倒だから」と管理をおろそかにせず、安心・安全にこの繁忙期を乗り越えましょう。
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